のんびり日記

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富岡鉄斎 「立志起家図」

作品の解説や紹介が目的ではありません。正しい/正しくないなどは置いておいて、自分の感じたこと、考えたこと、想像したことを自由に書きたいと思います

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「立志起家図」(『生誕一五〇年記念 富岡鉄斎展』より参照)

今日は富岡鉄斎について見ていきたいと思います。

この絵を一目見ただけで、いかに鉄斎が自由に遊び心を持って絵を描いていたかがわかる。文字で木が作られている。その文字の語尾には「き」の文字があり、それと木をかけているのだろう。三人の男の表情も非常に豊かで楽しそうだ。下で木ノ実を集めている二人の男と、かなり高い位置で集めている一人。鉄斎の絵に出てくる人間はとても優しく、見ている側がにこやかな快い気分になる。公園で小さい子供たちが無邪気に遊んでいるのを微笑みながら見守る感じに似ている。色がそのようにしているのだろうか。この絵を描いている時の鉄斎の顔にも笑みがこぼれていたのだろうなと勝手に想像する。
文字が絵画に侵入している訳でも、絵画が文字に侵入している訳でもなく、ただ1つ彼の遊び心がこの絵を描かせたような気がする。絵と文字を分けて、木の絵を描くくらいならいっそのこと、文字で木を作っちゃえっていう感じで。
やはり遊び心も芸術には欠かせない1つの要素であると鉄斎は教えてくれる。彼自身は自覚的にそれをやっていた訳ではなく、子供が遊ぶのと同じように、彼も遊び心を持って絵を描いていただけなのだろう。その純粋無垢な素直さがこの作品を生み出しのだと思った。