のんびり日記

のんびり生きましょう

雪舟 「四季花鳥図屏風」

作品の解説や紹介が目的ではありません。正しい/正しくないなどは置いておいて、自分の感じたこと、考えたこと、想像したことを自由に書きたいと思います。

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今日は雪舟の四季花鳥図屏風。

もともと水墨画の線がかっこよくて好きだった。この作品でも特に木の枝のねじれ具合や勢いがあたかも動いている生き物かのような力を持っているように感じる。

 

季節は冬だろう。木の上に雪が積もっている。白色を塗るのではなく、残すことで雪の白色を表現している。所々で花が咲いていたり、蕾が出ている。冬も終わりに近いのだろうか。

一番右の鳥のポージングも面白いが、右から三枚目上部に描かれている鳥が面白い。おそらく上から降りてきたところなのだろうが、飛んでいるようにはあまり見えない。それは日本画が平面的だからと言えばそれまでなのかもしれないが、それで終わったら面白くない。地面が続いて、遠くから近づいてきたと言われれば、その通りに見えるが、実際には飛んでいるのだ。

岩や木の描き方と、草花や鳥の描かれ方は明らかに違う。簡単に言えば、岩や木は力強く大胆な筆遣いで、草花や鳥は非常に繊細に描かれている。その違いは何だろうか。墨で岩のゴツゴツ感や、木のボコボコ感を表現するのは難しいから大胆に描いた?もちろん、それも否定はできないが、その答えも何かつまらない。僕が思う水墨画の良さは、やはり写実表現に縛られることなく、作者の捉えた対象の精神性や霊気的な印象をそのまま筆にのせて表現できることではないかと思う。そういう意味では僕が木を生き物であるかのように感じるというのは間違いではないのかもしれない。なぜなら雪舟も生き物のように感じ、それを感じたままに描いたのだから。屏風をまたぎ、絵全体に張り巡らされた木の枝は屏風全体の一体感を生み出している。だから余白が多いにも関わらず絵がバラバラになることなく、どこか統一感を感じる。そこのバランス感覚は圧巻としか言いようがないのではないだろうか。

もちろん雪舟は屏風だということを意識して描いている訳だが、屏風を描くときと、普通の平面の紙に描く時とでは、どういった風に描き方を変えているのだろうか?おそらく空間構成などは変わってくるだろうが、今ははっきりとしたことが言えないので他の絵と比べながら考えていきたい。