のんびり日記

のんびり生きましょう

Pierre Bonnard 「The Bath」

作品の解説や紹介が目的ではありません。正しい/正しくないなどは置いておいて、自分の感じたこと、考えたこと、想像したことを自由に書きたいと思います。

 

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今回はピエール・ボナールの浴室という作品を見たいと思います。

 

女性が湯船に浸かっている。上の写真は少し色が悪く写ってくるが、壁の色や浴槽の色は明るい色なので、暖かく心地よいイメージが伝わってくる。その一方で女性からはあまり、そういったものは伝わって来ず、むしろ少し冷たさを感じる。冷水に浸かっているのではないかと思うほどに。

女性の顔が水面より上に出ている。
女性の目線はどこか力がなく、遠くを見つめている。それは湯船に浸かっていて完全にリラックス状態にあるからなのだろうか。体を伸ばしきり、脱力状態にあるのは間違いない。誰からも指図を受けることなく、女性はこうでなければいけないという社会的抑圧からも解放されてありのままの自分でいることのできる時間と場というのは、1日の中で浴室だけなのかもしれない。もしかしたら女性の顔以外が存在する水面下に展開される世界は現実世界とは切り離されていて、何か現実世界の抑圧から解放されている状態を暗示しているのかもしれない。彼女自身とこの現実世界をかろうじて繋ぎ止めている紐が、危うく切れてしまいそうにある状態であることを、その彼女の顔が物語っている。そんな状態にある彼女の見つめる先には何があるのだろうと、ふと思う。何か美を取り繕うとする姿とは違った、不意に見せる素の表情に見られる美しさや女性の深さみたいなものが感じられたような気がする。

あくまで個人的な感想にすぎません。
ではでは。