のんびり日記

のんびり生きましょう

Henry Moore 「Reclining figure」

作品の解説や紹介が目的ではありません。正しい/正しくないなどは置いておいて、自分の感じたこと、考えたこと、想像したことを自由に書きたいと思います

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今回はHenry Mooreという作家のReclining figureという作品を見てみたいと思います。

体が溶け出しているように思えた。足と腕が境界線を持って分かれているのではなく、曖昧になっている。鑑賞者が作品を見て人の体であると認識できる範囲内で、どれだけ体から離れて全く別のオブジェクトとして表現できるかへの挑戦心みたいなものが感じられる。僕は何を持ってこれを人間の体と決めつけたのだろうか。全く別のグニュグニュした物だと思えば、それも間違いではない。僕がこの作品を人間だと捉えた瞬間に何か人間に対する概念が僕自身が気づいていないだけで、拡張されているのかもしれない。

3つの穴に注目したい。足の間、脇、そして乳首の3点に穴があり、乳首だけが貫通していないから黒い。乳首を無視すれば、2つの穴を通して向こう側から誰かがこちらを覗いているようにも見えなくはない。
乳首を除く2つの穴は、時間が進めば小さくなって行くように見える。なぜなら体が今以上に溶けて連結部分が広がっていく光景が目に見えるから。その一方で乳首の穴は時間の経過とともに大きくなっていきそうに思える。他の2つの穴は体の構造的に偶然できたとも捉えられるけど、乳首の穴に関しては何か自発的な意思を感じる。なぜなら乳首は本来穴とは逆で、窪みがある所ではなく突起がある所だからだ。生殖機能の損失で表しているのだろうか。ここでもまた、どこまでもしくは何を基準に人間を認識しているのか問われているような気がする。